ナトリウムイオン電池vsリチウムイオン電池|7つの項目で徹底比較

気象イメージ

近年、再生可能エネルギーの普及や電気自動車(EV)へのシフトが加速する一方で、地球温暖化や気候変動の深刻化、さらにはバッテリー火災の頻発により、エネルギーデバイスの安全性確保はこれまで以上に重要な課題となっています。

主流のリチウムイオンバッテリー(LIB)は、その高いエネルギー密度と幅広い用途で市場を席巻してきました。しかし、発火や爆発のリスクが常に懸念されています。これに対し、ナトリウムイオンバッテリー(NIB)は、より安全で持続可能な次世代の代替技術として大きな注目を集めています。

本記事では、特にバイクバッテリーなどへの応用を想定し、「安全性」という観点から、両者を徹底的に比較します。

バッテリーイメージ

結論:ナトリウムイオンバッテリーの安全性は高い

結論から言えば、ナトリウムイオンバッテリーはリチウムイオンバッテリーに比べて、本質的に安全性が高いことが複数の研究で確認されています。

2025年に発表された研究論文「Research on the Thermal Runaway Behavior and Flammability Limits of Sodium-Ion and Lithium-Ion Batteries」(出典:MDPI)によると、加熱試験における熱暴走の臨界表面温度(Tf−TR)は以下の順で示されました。

比較グラフ
熱暴走開始温度の高さ(安全性の高さ)
LFP(346℃) > NIB(292℃) > NCM523(290℃) > NCM622(281℃)

この結果は、ナトリウムイオンバッテリー(NIB)が、一般的なリチウムイオンバッテリーの化学系(特にNCM系)に比べて、より高い温度に耐え、熱暴走が始まるリスクが低いことを示しています。

なぜナトリウムイオンバッテリーは安全なのか?

ナトリウムイオンバッテリーがリチウムイオンバッテリーより安全とされる主な理由は、その材料特性熱暴走時の反応特性にあります。

1. 優れた耐熱特性が熱暴走を防ぐ
ナトリウムイオンバッテリーは、リチウムイオンバッテリーに比べて熱に対する耐性が高い特性があります。安全弁(CID)などのシンプルな仕組みで危険を防ぎやすく、複雑な監視システムへの依存度が低くなります。

2. 熱暴走時の反応が穏やか
万が一熱暴走が始まっても、温度上昇が緩やかで、分解時に発生する可燃性ガスも少ないのが特徴です。本質的に熱安定性に優れているため、破局的な事故につながりにくい構造です。

3. 有害ガスの発生が少ない
事故時に腐食性が強く人体に有害なフッ化水素(HF)などのガスが発生しにくく、周囲への被害リスクを低減します。
安全性テストイメージ

【イメージで理解】安全性の違い

この違いを分かりやすくするために、同じ火力で2つのやかんを加熱する状況を想像してみてください。

バッテリーの種類 やかんの状況 例える安全対策
リチウムイオン 火力が強すぎるやかんのように、水がすぐに激しく沸騰して吹きこぼれる危険がある。 常に見張って火を弱めたり止めたりする人(BMS)が必要。
ナトリウムイオン 弱火でじっくりお湯を沸かすやかんのように、同じ条件下でも沸騰がゆるやかで、急に吹きこぼれる心配が少ない。 材料そのものの特性で危険を防げる。

安全性の徹底比較

安全性 リチウムイオン (LIB) ナトリウムイオン (NIB)
熱暴走温度 低い
高温環境下でリスクが高い。
高い
約292℃と高い耐性を持つ。
熱暴走の速度 速い
急激な温度上昇で制御不能になりやすい。
遅い
燃焼よりも「発煙」のような穏やかな反応。
ガス発生 有害・腐食性ガス(フッ化水素等)を多く発生。 有害ガスの発生量が大幅に少ない
内部短絡リスク デンドライト形成によりリスクが高い。 デンドライトができにくく、短絡リスクが低い
過酷試験 激しい反応を示すことが多い。 より高温で反応するが、進行は緩やか
材料特性 熱安定性が低く、外部システム(BMS)頼み。 材料自体が本質的に熱に強い

※スマホの方は表を横にスクロールしてご覧ください

安全性における本質的な優位性

リチウムイオンバッテリーは「外からの保護(BMSや安全弁)」で安全を確保していますが、セル数が増えるほどシステム全体のリスクは上がります。

一方、ナトリウムイオンバッテリーは「中からの保護(材料特性)」で安全を確保しています。デンドライト形成のリスクが低く、熱暴走の伝播も遅いため、万が一の際も絶縁や消火のための時間を稼ぐことができます。

デンドライトのイメージ図

この「本質的な安全性」こそが、近年ナトリウムイオンバッテリー市場が急速に盛り上がっている最大の理由なのです。

市場成長イメージ

よくある質問(FAQ)

Q1: ナトリウムイオンバッテリーは、なぜ発火しにくいのですか? A1: 主に3つの理由があります。①材料の耐熱性が高い、②内部短絡の原因となるデンドライトができにくい、③燃えにくい電解液を使用できるためです。
Q2: ナトリウムイオンバッテリーが大規模貯蔵に適しているのはなぜ? A2: 「低コスト」と「高い安全性」を両立しているからです。重さやサイズがそこまで重要視されない定置型設備では、安全で安いナトリウム電池のメリットが最大限に活かされます。
Q3: リチウムイオンバッテリーの事故が多いのはなぜ? A3: 過充電、過熱、物理的損傷などが引き金となり、内部で急激な連鎖反応(熱暴走)が起きやすいためです。

引用元:Sodium Ion Battery VS Lithium Ion—Safety

OUTDO JAPAN ロゴ

あなたのバイクにも、次世代の「安全」を

リチウムイオンバッテリーの安全性に疑問を感じた方、
あるいは、より高い耐熱性と安心感を求めている方へ。

OUTDOバイク用ナトリウムイオンバッテリーが、
あなたのライディングをさらに安全で快適なものに変えます。

OUTDO公式サイトを見る
ブログに戻る